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ほたるの塔の友情

 

徳島の子供たちと…殉職スチュワーデスとの思い出を秘めた、ほたるの塔

徳島の子供たちと…殉職スチュワーデスとの思い出を秘めた、ほたるの塔
 
ほたるの塔の鐘を鳴らして…
優しい空のお姉さん(故 麻畠美代子さん)
 麻畠さんのご両親は美代子さんが、スチュワーデスとしての職務を立派に果たしただけでなく、このようなお友達からも、“飛行機のお姉さん”と慕われていたことに強く心を動かされ、お友達の役に立ちたいと、当時のお金で3万円が送られてきました。
子供たちは武田寮長先生と相談し「飛行機のお姉さんを思い出させるものがいい」と高さ6メートルの先端に水銀灯を取りつけた立派な“ホタルの塔”が建立されました。
 
若くして亡くなったスチュワーデス麻畠さんと子供たちとの悲しい思い出を秘めたホタルの塔は永遠に平和と友情のつばさを折り今も光り輝いております。
 

物語

物語
 
- そのおこり -
昭和37年の夏、当時阿南市宝田町にあった「児童養護施設 宝田寮」を視察にこられた、東京の福祉新聞社の専務が、ホタルの飛び交う美しさにうたれ、“都会の子供たちにも見せてやりたい”と言われた。それを聞いた宝田寮の子供たちが話し合い、ホタルを東京のお友達に送ることを決めた。それから毎年送り続けた。
 
- 蛍の空輸 -
 輸送は徳島飛行場発の日東航空機に託され、大阪~東京とリレーされた“善意の空駆けるホタル”は都会の子供たちを喜ばせ、“ホタルで結ぶ友情の輪”は毎年ひろがって行った。
 
- 優しい空のお姉さん -
 このかけ橋になってくれたスチュワーデス麻畠美代子さん(京都市出身20才 元準ミス日本)と宝田寮の子供たちとはホタルの空輪が縁で仲よしになった。
 この宝田寮には、両親の居ない人、事情があって親と別れて暮さねばならない子供たちだけに、スチュワーデス麻畠さんの励ましの手紙は「美しく優しいお姉さん」ができたと子供たちを喜ばせた。
 
- 空の天使 麻畠のお姉さんの死 -
 ところが空の天使・麻畠さんは、昭和39年2月18日、大阪発~徳島行の航空機に乗務中、事故により殉職、宝田寮の子供たちを悲しませた。
事故直後子供たちは悲しい思いを“寄せ書”と“似顔絵”に書いて、京都の麻畠さんの家族に送った。
   
- そして今は… -
 そして、麻畠さんが亡くなって間もなくのこと、多くのひとの善意で麻畠さんとの交流を記念した「ホタルの塔」が宝田寮の一角に建てられた。宝田寮は平成24年に建て替えられたが、そのホタルの塔は今も照らし続けている。
 あの当時の子供たちも、今では多くが齢50歳から60歳代になっているだろう。自分の子や孫たちに、こんな素敵な話をしてあげているだろうか。
 
 神戸の六甲山中には、若くして殉職した麻畠さんを讃えて、「みよし観音」の名で像が建立されている。ここには、女優 吉永さゆりさんが寄せた「みよし観音賛歌」や、森繁久弥さんの詩「ホタルの天使を偲んで」が石碑に刻まれている。これからもずっと。
 

宝田寮を照らし続ける「ホタルの塔」

宝田寮を照らし続ける「ホタルの塔」
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