日頃は、宝田寮を温かく見守っていただき、これまでに、関係機関の皆さんをはじめ、
昭和・平成・令和と時代が新しく代わるなか、語り継いで育くことを感じております。
私は、昭和に生まれたので、3つの元号を生きていると思うと不思議な気持ちになります。
令和が昭和や平成より明るい日々になっていくことを祈念します。
昭和…高度成長期時代。明日は今日よりも良い日であると信じられる、実感ある時代。
東京オリンピック・大阪万博がありました。団地が増え、核家族が増加、家庭を守るのは母親でした。
戦災後、児童福祉法・児童憲章・児童手当法等が発令。
戦後まもない、戦災孤児を受け入れる施設として児童養護施設 宝田寮が創立しました。
平成…1989年~バブル崩壊・リーマンショック・阪神大震災・東日本震災等
災害・経済破綻等を通じて社会福祉、子育て支援等について世の中の人々に知ってもらう
機会が増えた時代。少子高齢化時代突入。共稼ぎが増加、鍵っ子も増加。
生活環境・就労環境・養育環境が大幅に変化しました。児童虐待通報や待機児童が増加
エンゼルプランや虐待防止法・児童相談所連携強化・職員配置基準改正等が策定されました。
令和…2019年~未来、明日を信じられ、やさしさや厳しさを共に受け止め、
高齢者にも子どもにもお互いにぬくもりがある時代になってほしいと思います。
2020年は、東京オリンピック開催で国全体で特別な思いがあります。
時代認識によって、社会福祉・児童福祉制度等が改正されてきました。
一人ひとりの当たり前の暮らしが良くなる社会福祉が落ち着く時代になってほしいと思います。
□今後の児童養護施設のあり方について(児童家庭福祉にどう応える)
去る令和元年11月27日~29日全国児童養護施設協議会徳島大会開催し無事終了しました。
この子の将来の自立自活に向けてどう取組むかが目的ですが、
小舎制施設を運営するには、職員人数の確保や職員育成・職員体制つくりが課題です。
国と厚生労働省・関係機関・全国児童養護施設協議会等でこれからの社会的養護・養育のあり方について、見直して昨年度「新しい社会的養育ビジョン」が取り纏められ、施設のあり方については、「高機能化及び多機能化・機能転換、小規模かつ地域分散化」を進める方向性を示した、「都道府県社会的養育推進計画の策定要領」が発出され『地域の社会的養育を支える専門的な拠点』として、各施設の特色を活かした取り組みになりそうです。早速、県からの聞取りがありました。
宝田寮としても、子育てや家庭のSOSに応えるべく、
『地域の子育て支援拠点』として関係機関と連携して、将来の子どもの自立自活への取り組みや子ども家庭福祉の支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
児童養護施設は、受け入れ居場所として子どもたちを保護し、家族については、包括支援を含めた子ども・子育て支援と親支援の充実、地域を越えた支援に取り組むことを求められております。
児童相談所をはじめとした関係機関や応援して下さる皆様の絆と連携ネットワークの充実強化を進め、子どもの健やかな育みに感謝しながら「安心・安全な生活」「当たり前の生活・自分つくり」の場所を保障し、児童福祉サービスの一翼を担えるよう役職員一同努力いたしますので、なお一層のご支援・ご協力をお願いいたします。
寮長 八木宏明